えりっざべーと♪えりっざべーと♪
唯一、聖地巡礼目的で旅行をするに至ったことのある作品。
長くなるので1幕と2幕に分けて書きまーす。
2幕の感想はこちら。

※エリザベートとシシィは同一人物です。むかーし、これを知らずに混乱した経験があります笑
- 概要
- 感想
- 内容以外の感想
- 内容の感想
- 「第一の尋問・我ら息絶えし者ども」
- 「私を燃やす愛・第二の尋問」
- 「パパみたいに 家庭教師」
- 「ようこそみなさま 落下 / 愛のテーマ~愛と死の輪舞 パパみたいに (蘇生) 」
- 「皇帝の義務」
- 「計画通り」
- 「あなたが側にいれば」
- 「不幸の始まり / 結婚式のワルツ 結婚の失敗 / 死の時のワルツ」
- 「最後のダンス」
- 「あなたが側にいれば (リプライズ) 」
- 「皇后の務め 初めての諍い 皇后の務め (リプライズ) 君の味方だ」
- 「私だけに」
- 「死のご機嫌 結婚一年目 娘は何処? (第二の諍い) 私の敵 結婚三年目 美貌の皇后 結婚四年目」
- 「デブレツィン (BGM) 皇帝パレード エリザベートの怒り」
- 「退屈しのぎ カフェ・プレイオフ /ひ弱な皇太子」
- 「エリザベート (愛のテーマ) 第三の諍い 最後通告 (BGM) エリザベート泣かないで (愛のテーマ)」
- 「ミルク」
- 「皇后の務め (エステ) / 私だけに (リプライズ) 私だけに三重唱」
概要
作品名:『エリザベート』
日時:2019年6月30日(日)13時
劇場:帝国劇場 (東京都千代田区)
出演:愛希れいか、井上芳雄、平方元基、京本大我、山崎育三郎 他
翻訳・演出:小池修一郎
上演時間:約3時間5分 (休憩25分あり)
感想
内容以外の感想
席位置
今回は帝劇の2階最前列でした。
いわゆる良席と一般的に言われる場所ですが、「あれ、こんなに遠かったっけ?」って思うくらい距離を感じました。
俳優の顔も肉眼でぎりぎりわかる程度。
こんな切ない気持ちになる劇場だったかな…。
開演前の意外なアナウンス
開演15分くらい前に、あまり耳にしないアナウンスが流れました。
「1幕終演時は暗いうちにお席をお立ちになりますと、他のお客様との接触の恐れがございます。明るくなってからお立ちいただきますよう、お願い申し上げます。」
※ニュアンスです。
これって、どこで1幕が終わるのか、いかに休憩中のお化粧室が混むのかを理解しているリピーター、つまりはオタクが多いということですね。
1幕が終わるタイミングで感じましたが、客電がつくのが遅いような?
これは確かにさっさと立ってしまいたくなりそうです。
内容の感想
さて内容。
順番通りに書いていきます。
シーン分けは2015年版のCDに準拠。
「第一の尋問・我ら息絶えし者ども」
まず第一に思ったのは、フランツが平方さん!(当たり前)
センターにいらっしゃいます!
今までなら平方さんはルドルフポジションだったはず。
『エリザベート』のキャストがどんどん若くなっていくことを感じました。
それにしても声がよく通って、歌詞が聞き取りやすい。
青い衣裳は一瞬ルドルフかと思いました。
平方さんって、ミュージカル界随一のカメレオン俳優だと思うんです。
どんな役でも演じきれてしまう。
その分、”もしこの作品をミュージカル化するならキャストは誰?”みたいなオタク的妄想では現れにくい、もしくはテキトーに配置されてしまう気もします。
そしてフランツの息子、少年ルドルフ役の陣くん。
『ミス・サイゴン』とか出ていた頃を知っているので、大きくなったね~と思ってしまいます。親戚のおばさん気分。
陣くんのすぐ近くに立つのは、大人のルドルフ役の京本くん。
後述しますが、かなり歌が上手くなったような?
踊るとジャニーズだと実感するので、良いバランスを持っている気がします。
「私を燃やす愛・第二の尋問」
そしてトート役の井上芳雄さん。
トートの登場、今回少し変わりましたが、相変わらず笑ってしまうような現れ方。
あれ、客席から観ていて平常心でいられます?
ちょっとびっくりしたのが、エリザベート登場直前の拍手!
そっか、ここ拍手のタイミングなんですね。
なんかここは拍手で止めず、そのままエリザベートを登場させたほうが良い気がしました。
というか拍手要素を教えて。
そしてエリザベート役のちゃぴさん登場。
昨年11月に宝塚でも拝見。可愛い。若い。可愛い。
「パパみたいに 家庭教師」
エリザベートのパパであるマックス役は原慎一郎さん!
『アナと雪の女王』でクリストフの吹替をしてらした方。
ここいっつも気になるんですが、パパと家庭教師の不倫、必要なのかな。
マックスには娘のことを想い続ける”理想のパパ”であり続けて欲しいです。
家庭教師もその後何か大事な役割を担っているわけではないし。
「ようこそみなさま 落下 / 愛のテーマ~愛と死の輪舞 パパみたいに (蘇生) 」
曲名が面白いですよね。
エリザベートの姉ヘレネ役が原さんじゃない!なんか雰囲気違う!
トートを取り囲むトート・ダンサーの皆さんを見ていたら、”閣下の初恋応援隊”という言葉を思い出しました (トート・ダンサーのおひとり、小南さんの発言) 。
見た目怖いのに可愛らしく思えてきちゃう。
「皇帝の義務」
フランツが平方さん!!(2回目)
他の作品で拝見したときは気づいていなかったけど、平方さんって本当に聞き取りやすい歌い方をするんですね。
最後の部分のフランツパートがきちんと聞き取れたのは初めて!笑
フランツママである皇太后ゾフィー役は2016年に引き続き涼風さん。このシーンでは相変わらずの迫力と美魔女って思ったけど、この後に印象がひっくり返るのでした。
「計画通り」
ヘレネとフランツのお見合いのシーン。
ルキーニ役の山崎育三郎さんが赤い衣裳とかつらを身につけると、もはや『モーツァルト!』にしか見えません。
そして最初に一人はしゃぐエリザベートの台詞が、「鹿だわ!」…!
確か花總まりさんは「鹿だわ!」、蘭乃はなさんは「鹿さん!」って言っていた覚えがあります。
いっつもなぜかちょっと気になる台詞。
なお、この曲全体、ゾフィーの人間味が最もよく表れているシーンだと思うのです。
怒る。笑う。驚く。困る。
ゾフィーはもちろん皇太后として息子である皇帝の結婚相手を選ぶわけですが、一人の母親として息子を心配、祝福している様子も見て取れる気がするのです。
まあこのあと、他のシーンでも「あ、ゾフィーって人間だ」って気づくわけですが。後述。
あと見間違いだったら申し訳ないのですが、家庭教師役の七瀬さんもいらっしゃいましたよね?
お見合いに家庭教師が同伴?家庭教師兼女中?なぜ?
「あなたが側にいれば」
そしてフランツはヘレネではなくエリザベートを選ぶわけですが…。
ちなみに皇帝にプロポーズされたら断れるのでしょうか?
もしここで少しでもエリザベートにためらいがあったとしたら断れたのかな。
そのためらいと諦めがあったか否かでこの物語は大きく変わると思います。
まあ、宮廷が息苦しいことをまだ知らないエリザベートは夢見心地のお姫様気分で喜んでいるので、ちょっと自業自得な気もしますが。
「不幸の始まり / 結婚式のワルツ 結婚の失敗 / 死の時のワルツ」
フランツとエリザベートの結婚式のシーンは、エリザベートパパの原さんをずっと見てしまいました。
あの中で王家に嫁いだ娘が抱く不安、まだエリザベート自身も知らない未来へのプレッシャーを理解していたのはマックスのみなのかな。
だからこそ不倫なんてしないパパであって欲しい…。
ここでアンサンブルに植原卓也さんがいらっしゃることに気づきました。後ほど革命家エルマーとして登場です。
植原さんと京本くん (このシーンにはおりませんが) のビジュアルが被りますね。
「最後のダンス」
他人の結婚式に乱入するトート閣下。
ここで気になったのは、エリザベートのトートへの心象の変化。
初対面ときは、確実にトートのことを命の恩人として捉えていました。
ここで再会し、「あれ、実はヤバい人じゃ…?」ということに気づくのですが、いつからその顔に恐怖が宿るのでしょう。
私の席からはエリザベートの表情がよく見えず残念。
「あなたが側にいれば (リプライズ) 」
ああ、ここもパパを見てしまう…。
皇后となったエリザベートには、母や姉も跪くんですよね。
孤独になっていくエリザベート。
味方はフランツのみの状態。
「皇后の務め 初めての諍い 皇后の務め (リプライズ) 君の味方だ」
朝5時に寝室にやってくる義母ゾフィーこわっ。
厳しいことをどんどんどんどん告げるわけですが、実際当たり前のことばかり。
ゾフィーの表情を見ていても、不合理ではないんですよね。
連呼し続ける”義務”とは何なんだろうとは初めて思いました。
あとエリザベートに対する違和感の原因がひとつ判明。
“自由がなくては生きていけないおてんば娘な割に、見た目も言葉遣いも品が良すぎる。”
これだ。
エリザベートは超上流出身ではないにせよ、ある程度きちんと育てられていたことは確実です。
なので間違いではないのですが、おしとやかさを纏いつつ「義務を押し付けないで!」なーんて説得力がない気がするのです。
そしてフランツ。
彼も間違ったことは言ってないんだけどね、嫁姑対立をしているなら、お互いが納得できるように話を聞いてあげなよー。だからマザコン皇帝なんだよーー。
「私だけに」
来ました名曲。大好き。
思わず笑ってしまう滑り台も健在。愛希さん、滑り出し早くない?
花總さんはこの曲を大泣きしながら歌ってるイメージでしたが、愛希さんはそんなことないですね。
この曲をもってエリザベートは強さと輝きを得ていくわけですが、最強になるのはもっと先。
「死のご機嫌 結婚一年目 娘は何処? (第二の諍い) 私の敵 結婚三年目 美貌の皇后 結婚四年目」
母親の意見聞かずに孫娘に名前付けちゃうなんて…。あ、我が家もそうでしたが。
ここ、エリザベートの最初の勝利かと思うのですが、美貌って言葉をルキーニとフランツが連続して使うのが気になります。
感覚レベルだけど気持ち悪さを覚えるので違う表現して欲しい。
「デブレツィン (BGM) 皇帝パレード エリザベートの怒り」
やっとエルマーとして植原卓也さん登場。
皇帝の息子であるルドルフ役の京本くんと見た目が似ている気がするのですが、エルマーもハンガリー1古い貴族の末裔。高貴。
時代が違えばルドルフとエルマーも立場が逆転し得るのかなと思って、少し怖くなりました。
そしてエーヤン。
後ろの映像が気になりました。なんか映像として投影される三色旗、安っぽくない?
エリザベートの三色旗ドレスは大好き。
「退屈しのぎ カフェ・プレイオフ /ひ弱な皇太子」
カフェのシーンは…。トートって人間に化けることもできるのねって今さら思いました。
あとウィーンで行ったザッハーのカフェを思い出しました。
ちびルドルフくんは相変わらず可愛い。
ここでもゾフィーは厳しいけど何も間違ってはいない。
というか、ちびルドルフとエリザベートの共演シーンってないんですよね。
ルドルフと会うのも最後の最後だけ。
すれ違う親子。
「エリザベート (愛のテーマ) 第三の諍い 最後通告 (BGM) エリザベート泣かないで (愛のテーマ)」
フランツがひたすら気の毒なシーン。
なんだかちゃぴさんお疲れな歌声?
「嫌よ逃げないわ諦めるには早い」という歌詞は私の就活時の支えでした。
「ミルク」
安定の上手奥にモブとして登場するルドルフ。
ここだけ民衆の役。
ホーフブルク宮殿前の広場でミルクごっこしたなあ、懐かしい。
「皇后の務め (エステ) / 私だけに (リプライズ) 私だけに三重唱」
鏡の間。
エリザベート登場。ここハッと息を呑むほど神々しい。
神々しさは花總さんがダントツかなと思いましたが、エリザベートが歌い始めた瞬間に衝撃を受けました。
歌声が変わった!
明らかにエリザベートが”最強”になった瞬間。
そう思わせてきたのは愛希さんのエリザベートだけ。
目を見開いたまま1幕が終わりました。
続く…。