『アラジン』のアニメ・舞台・実写の曲の比較

作品解説
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先日実写映画の感想を掲載しました。

【感想】実写映画版『アラジン』(2019)
2019年6月7日(金)公開の実写映画『アラジン』を観てきました!なお、こちらの記事では1992年公開のアニメーションをアニメ版、2014年初演のミュージカルを舞台版、今回公開の映画を実写版と記述しています。吹替も評判は良さそう...

が、音楽面はとっても雑なことを書いてしまったので、アニメ版がテレビ放映される今日、音楽に特化した記事を書いてみました。

なお、BGMではなく歌唱曲に絞ってます。

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アニメ、舞台、実写映画の曲

まずは曲の列挙。

曲数の後ろにかっこ書きをしているのは、台詞部分も含めた全体の時間です。舞台版は日本公演に合わせています。

太字は他のver.にはない曲です。

なお、アニメ版の翻訳は湯川れい子さん、舞台版の翻訳は『アナと雪の女王』で有名になった高橋知伽江さんです。

ちなみに日本語でアラジンパートの歌唱をしているのは、アニメ版は石井一孝さん、舞台版は島村幸大さん、実写版は中村倫也さんです。

アニメ版

6曲 (1時間30分)

1.アラビアン・ナイト/ Arabian Nights

2.一足お先に / One Jump Ahead

3.フレンド・ライク・ミー / Friend Like Me

4.アリ王子のお通り / Prince Ali

5.ホール・ニュー・ワールド / A Whole New World

6.アバヨ、王子様 / Prince Ali (Reprise)

舞台版

19曲 (休憩20分含め2時間45分)

1.オーヴァーチュア

2.アラビアン ナイト / Arabian Nights

3.逃げ足なら負けない / One Jump Ahead

4.逃げ足なら負けない (リプライズ)

5.自慢の息子 / Proud of Your Boy

6.壁の向こうへ / These Palace Walls

7.バブカック オマール アラジン カシーム

8.行こうよ どこまでも / A Million Miles Away

9.ダイヤの原石

10.理想の相棒 -フレンド ライク ミー- / Friend Like Me

11.1幕フィナーレ

12.プリンス・アリー / Prince Ali

13.新しい世界 -ア ホール ニュー ワールド- / A Whole New World

14.危険な冒険 / High Adventure

15.一人じゃないさ

16.自慢の息子 (リプライズ)

17.プリンス・アリー (王のリプライズ)

18.プリンス・アリー (ジャファーのリプライズ)

19.2幕フィナーレ

実写映画版

10曲 (2時間8分)

1.アラビアン・ナイト/ Arabian Nights

2.一足お先に / One Jump Ahead

3.一足お先に (リプライズ)

4.スピーチレス~心の声 (パート1)

5.フレンド・ライク・ミー / Friend Like Me

6.アリ王子のお通り / Prince Ali

7.ホール・ニュー・ワールド / A Whole New World

8.一足お先に (リプライズ2)

9.スピーチレス~心の声 (パート2)

10.スピーチレス~心の声

各曲比較

こうしてみると結構違いますね。

アニメ版の曲少ない!舞台の上演時間長い!

各曲みていきましょう。

オーヴァーチュア

これは歌唱ではないので本来は外すべきなのですが…。舞台版で使用。

開演前に演奏される音楽のことですね。幕が上がります (厳密には振り落としなので幕は落ちます) 。

なお、使用されている曲は「フレンド・ライク・ミー」のみです。

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アラビアン・ナイト

アニメ版では商人、舞台版と実写映画版ではジーニーによる曲。

物語の始まり始まり~!

なお、1992年にアニメ版がアメリカで公開された際、この曲の歌詞が差別的だと批判され、翌年にディズニーは歌詞を変更しています。

当時の記事がこちら。

Disney Will Alter Song in 'Aladdin' : Movies: Changes were agreed upon after Arab-Americans complained that some lyrics were racist. Some Arab groups are not satisfied.
In a rare instance of a major studio changing a film after its release, the Walt Disney Co. said Friday it will alter two lines of the lyrics in the animated mu...

さらに2019年の実写版でも英語詞が少し変わっています。

こんなところからも、ディズニーが時代への意識を強く持っていることが伝わってきます。

一足お先に / 逃げ足なら負けない

日本語訳は違うタイトルですが同じ曲です。

実写版ではこの曲中にアラジンとジャスミンが出会いますが、アニメ版と舞台版ではアラジンのキャラクター紹介のみに使用されます。

アニメ版と舞台版は自分のためにパンを一切れ盗んだために衛兵に追いかけられますが、映画版はジャスミンを助けるために詐欺行為をしたがゆえに追われる身となります。

なお、全バージョン共通で、アラジンは以前は泥棒ではなかったような表現が出てきます。

また、アニメ版と舞台版でジャスミンが頭がおかしいフリをするのですが、実写版にはこのシーンないんですよね。これも時代?

自慢の息子

アニメ版でカットされ、舞台版で復活した曲。

実写版ではメロディのみ使用されています。アラジンが亡くなった母を想い、どうにかして泥棒生活を抜け出すことを誓います。

舞台版のアラジンが一番まともに見える人が多いのはこの曲所以。マザコンっぽいけど。

俳優の井上芳雄さんもご自身のアルバムに別の訳詞を歌っているものを収録しています。

壁の向こうへ

舞台版のみの曲。

ジャスミンがお城を抜け出して市場に行ってみようと歌います。3人の侍女たちも参加。

ジャスミンのお部屋での歌唱。

舞台版と実写版では、侍女がジャスミンの脱走を後押ししますが、アニメ版では自分だけで出ていきます。

なお、ジャスミンのペット、ラジャーは舞台版には出てきません。

スピーチレス~心の声

実写映画版のみの曲。

ジャスミンのソロ。実写版のキーナンバー。

「壁の向こうへ」より力強さが増しています。

言葉にならない本当の思い…みたいな感じかな?さらにそれを叫ぶという。

ミュージカルの歌唱は基本的に「感情が溢れて歌い出す」ものなので、まさしくその役割を果たしています。

アニメ版だとジャスミンは「ホール・ニュー・ワールド」しか歌わないと考えると、時代も変わるんですね。

バブカック・オマール・アラジン・カシーム

舞台版のみの曲。

そもそもバブカック、オマール、カシームが舞台版にしか登場しないキャラクターです。

アラジンの相棒、猿のアブーの代わりに、この3人の”マブダチ”が登場します。

真っ当だけど楽な方法でお金を稼ぐため、4人でパフォーマンスを披露。

舞台ではこの曲の途中にアラジンとジャスミンが出会います。

行こうよ どこまでも

舞台版のみの曲。

アラジンとジャスミンのデュエット。

「ホール・ニュー・ワールド」よりも前に、アラジンがジャスミンの身分を知らないタイミングで歌われます。

自由に旅に出ることを夢見る歌詞。

すっかり仲良くなる二人ですが、この二人の言う自由の意味が少し違うこともポイント。

ダイヤの原石

舞台版のみの曲。

ジャファーとイアーゴがアラジンを危険な洞窟に誘い込むために歌います。

実写版でもジャファーがしつこいくらいにダイヤの原石という言葉を口にしますね。

フレンド・ライク・ミー / 理想の相棒 -フレンド・ライク・ミー-

ジーニーの魅力がつまったおなじみの曲。

舞台版はこの曲だけで約7分あり、途中は別のディズニー作品の曲も歌われます。

『美女と野獣』、『リトルマーメイド』、『ポカホンタス』ですね。

ちなみにアニメ版には他の作品の曲は出てこないですが、キャラクターは多用されています。

1幕フィナーレ

舞台版のみの曲。

ここでアラジンは一つ目の願いで王子様に変身します。

ジーニーは変身させたあと、魔法の絨毯を準備することを示唆します。

そもそも舞台版では絨毯に人格は与えられておらず、「ホール・ニュー・ワールド」と「2幕フィナーレ」でアラジンとジャスミンが乗るだけです。

アリ王子のお通り / プリンス・アリー

王子様に変身したアラジンが、ジャスミンに求婚するため宮殿に向かうパレードの曲。

舞台版だけアリ王子じゃなくて、アリー王子なんですね。

歌い出しを担当するのは舞台版では3人のマブダチ、実写版ではジーニー、アニメ版ではジーニーの魔法で出てきた召使いです。

パレードはとにかく派手。

実写版のアラジンが少し戸惑った顔をしていたのが印象的でした。

ホール・ニュー・ワールド / 新しい世界 -ア ホール ニュー ワールド-

アカデミー賞を受賞した名曲!

友人のお姉さんがプロポーズされたとき、彼氏さんがおもむろにこの曲をかけ始めたそうです。関係ないか。

この曲でジャスミンはアリー王子とアラジンが同一人物だと気付きますが、タイミングやきっかけが違います。

訳詞も各バージョンだいぶ違いますね。まだ実写版の歌詞に慣れない…。

舞台版の日本語詞ではホール・ニュー・ワールドという単語が出てこないのも注目ポイント。

間奏の長さもかなり違います。

翻訳については、こちらの比較記事が面白かったです。

実写版アラジン「A Whole New World」新歌詞、アニメ版・四季版・原詞直訳との比較、独自訳も - westergaard 作品分析
はじめに 実写版アラジンの吹き替えキャストによる「A Whole New World」が生披露され話題になりました。 この記事では、その生披露によってはじめて明らかになった新しい吹き替え歌詞を独自に書き起こし、有名な92年アニメーション版の歌詞、劇団四季の歌詞と比較して見ることができるように書き並べて見ます。 さらに、...

危険な冒険

舞台版のみの曲。

バブカック、オマール、カシームの3人が危険に巻き込まれたアラジンを助けに行こうと歌います。

が、逆に捕まります。

一人じゃないさ

舞台版のみの曲。

ここでアラジンは二つ目の願いを使い、地下牢から逃げ出します。

歌い終わったらすぐ3人のマブダチはまた捕まります。歌わずに早く逃げれば良かったのに。

アバヨ、王子 / プリンス・アリー (ジャファーのリプライズ)

ジャファーの悪だくみの曲。

アバヨって、アバヨ…。しかもカタカナ…。

2幕フィナーレ

舞台版のみの曲。

物語の大円団。ジーニーの「やっぱりハッピー・エンドじゃなきゃ!」という言葉とともに華やかなフィナーレを迎えます。

まとめ

アニメ版、舞台版、実写版のそれぞれで用いられている曲、歌詞、意味は違いますが、全てディズニーの『アラジン』です。

正解や不正解ではなく、表現方法が違うだけです。

その違いがある分、『アラジン』の世界は豊かになっています。

改めてそれぞれの『アラジン』に触れてみることで、「新しい自由な世界」を見つけられるかもしれません。

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